『猫アレルギー』の話~飼い主としてできること~

2021/12/10

皆さんの周りには『猫アレルギー』の人はいらっしゃいますか?
症状としては軽い目の痒みや鼻水が多いようですが、中には喘息など命に係わるケースもあります。
家族に猫アレルギーの人がいたり、猫アレルギーの人が訪ねてきたりなど困ったことがある人もいるのではないでしょうか。
今回は獣医師の立場から『猫アレルギー』についてお話しようと思います。
※人の病気ですので、実際に症状がある方はまず病院を受診して下さい。以下の内容は参考程度にお読みください。

 

 

◇アレルギーとは

身体に侵入した異物を撃退しようとする免疫反応の1つにアレルギー反応があります。
主に痒みや炎症を引き起こし、体の部位やその強さで症状が変わります。
具体的にどんな種類の物質を異物と認識し、どれくらいの量でアレルギーを発症するかは個人差があるようです。
またアレルギーの原因物質をアレルゲンと呼び、代表的なアレルゲンには花粉、食物、ダニ、カビなどが存在します

 

 

◇5人に1人は猫アレルギー!?

アレルギーは年齢を重ねるごとに増加していき、猫アレルギーに関しては成人の5人に1人が持っていると言われています。
ですので、猫アレルギーは誰にでも様々なきっかけ(結婚、出産、知人の訪問、知人からの猫の譲渡、飼育中に突然、など)で不意に訪れる可能性があります。
また、アレルゲンには相加効果があり、複数のアレルゲンによってアレルギーは発症しやすくなります。
つまり、花粉やダニのアレルギーがある人は猫アレルギーも発症しやすいということです。
アレルギーの検査をしたときに猫しかアレルギーが無いというのは珍しく、猫アレルギーの人の大半は他のアレルギーも同時に持っているようです。

 

猫アレルギーを発症した飼い主さんから医師に猫を手放すように言われた、という話を聞いたことがあります。
ちなみにある統計では、上記のように言われた飼い主さんの8割以上は医師のアドバイスを聞かないそうです・・・
みんな猫が大好きなんですね。同じ愛猫家の一人としてはとても嬉しいことですが、重症の猫アレルギーではそうも言ってられないかもしれませんね。

 

 

◇猫アレルギーの原因と対策

猫アレルギーの多くは猫の唾液中のFeld1(フェルディワン)という物質が原因だと分かっています。
唾液なら舐められなければ大丈夫そうですが、
猫はよく毛づくろいをするので唾液中のFeld1は全身の毛に付着します。
そのため、服に付いたり空気中を漂ったりしている猫の毛でもアレルギー反応が起きてしまいます。

 

人の猫アレルギーの治療ガイドラインというものがあり、そこで以下のような対策が示されています。
・周囲環境に猫が入らないようにし、猫を避ける。
・少なくとも週に2回は猫を洗う。
・アレルゲンが付着した可能性のある寝具やその他の物を除去する。
・猫を寝室に入れない。
・HEPAフィルターのついた空気清浄機を設置する。

 

もし、家族や家に訪れる知人で猫アレルギーの人がいるなら上記の対策を試してみてください。
また、最近話題になった『腸活』は免疫の調整作用があると言われており、腸活を行うことで花粉や猫のアレルギーが軽減したという事例もあるようですので、興味がある方はこれに詳しい医師に聞いてみると良いかもしれません。

 

 

◇猫アレルギーを猫の食事で抑えられるようになるかも!

現在、猫アレルギーの原因物質であるFeld1を中和する(アレルゲンとして働かなくする)抗体が作られ、これを添加した食事を猫に与えることで猫アレルギーを抑えるという研究が進んでいます。
実際にこの猫アレルギー用の食事を食べた猫では、唾液中のアレルゲンとして働くことができるFeld1はだんだん減っていくことが実験として証明されました。
そして、普通の食事を食べた猫と比べると、猫アレルギー用の食事を食べた猫の方が人の猫アレルギーの症状が軽くなったそうです。

 

まだこの猫アレルギー用の食事は研究途中ですが、いつか『人の猫アレルギーを制御する猫用フード』が実現するかもしれませんね。

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