ニャンコに『薬だけ』を飲ませていませんか?

2021/10/31

 

今まで猫に薬を飲ませたことはありますか?

 

年齢を重ねた猫なら一度くらいは動物病院で薬を処方された経験はあるのではないでしょうか?
日ごろから薬やサプリメントを常用しているという子も珍しくはないと思います。
薬といっても、単純な錠剤、周りをコーティングされた糖衣錠、風味づけされたチュアブル錠、カプセル、顆粒、粉末、シロップなど様々な剤型のものがあります。

 

そして、飲み方も色々です。
中には食い意地が張っていて、食事に何を混ぜても無視してぺろっと食べてしまう子もいますが(笑)、
猫は神経質な子が多く、食事に入っていても薬だけ残したり、そもそも薬が入っているとわかると食べもしない子がいますよね・・・そういう時の対処方法としては

・粉末にしてチュールなどの美味しいペースト状のおやつに混ぜる
・薬だけを喉の奥に入れる

といった方法が有名です。

 

薬だけを喉の奥に入れる方法は、口を開けてくれる子なら苦みも感じずにスムーズに飲めるので、とても良い方法です。
しかし、この方法には重大な注意点があるのをご存知ですか?

今日はそれをご説明します。

 

 

◇食道は『蠕動』します

 

動画のように食べ物は一つの塊となって食道の中を通って行きます。

これはただ重力に従って落ちているというわけではなく、食道の蠕動(ぜんどう)という動きによって運ばれています。

 

そして、この蠕動によって運ばれるスピードは犬では1秒で75~100cm、猫では1秒で1~2cmと言われています。
猫は非常に遅いんですね。

 

 

◇『薬だけ』飲んだら・・・

食道の蠕動の遅い猫が、固形の薬だけを飲むとどうなると思いますか?
ゆっくり進んでいくと思いますか?

 

ゆっくり進んでいく場合もあれば、実はそうじゃない時があります。
なんと、食道に張り付いて動かなくなってしまう時があるんです!

 

とはいっても、その後で食道を通る水や食事があれば一緒に流れてしまうと思います。
しかし、すぐに流れないということは場合によっては体に薬を吸収される時間がずれてしまうかもしれませんね。
何より怖いのは、食道に薬が留まることで
食道に炎症を起こしてしまうことです。
食道炎・・・人でもたまに聞きますね。二日酔いで吐きすぎるとなる逆流性食道炎もその一つです。

 

猫の薬による食道炎で有名なのは一部の抗生剤や鎮痛剤によるものですので、これらを飲むときは注意が必要です。

 

 

◇『薬だけ』でもすぐに胃に届けるには・・・

複数の猫で飲んだ薬が何分で胃まで届くかを調べた研究があります。
錠剤を飲んだ5分後に胃まで届いた割合は約40%だったそうです。
カプセルに至っては、5分後でも約20%しか届いていなかったそうです。

これは複数の猫での割合ですので、5分以内に届く子もいるようですが、半分以上の猫は5分では胃まで届かないということですね。

 

この研究では薬を湿らせると錠剤でもカプセルでも1分後の時点で約100%が胃に届いたという結果も出ています!
お薬をすぐに胃に届けるには薬を湿らせることが重要だとわかります。

 

ただ、飲ませる時点で濡れていると薬の成分が溶け出したり、指について飲ませづらかったりしますよね。

 

お勧めの方法としては、
薬を飲ませてからすぐに5mlの水をスポイトや注射器で飲ませることです。
口の脇から少しずつ入れると難なく飲んでくれる子がほとんどです。
ちなみに、薬の表面を薄くバターでコーティングしてもスムーズに胃に届きます。この方法も良いですが、バターの量によっては体調を崩す子もいるかもしれませんのでご注意ください。

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