尿路感染症(細菌性膀胱炎、腎盂腎炎)

尿路とは尿が腎臓で作られてから体外に排出されるまでに通る経路のことで、腎臓、尿管、膀胱、尿道のことを言います。
感染症は尿路全体で発生する可能性があり、尿路に連続する他の臓器(膣、子宮、前立腺など)でも同時に感染症が起きることがあります。
適切な治療がなされない場合は、重度の臓器障害や敗血症に陥り、死に至る場合があります。

 

症状

感染症の存在する部位によって症状は異なります。
最も遭遇することの多い細菌性膀胱炎では主に少量頻回の排尿(トイレ通い)が認められ、重症では尿中に膿や血液が混じる場合もあります。
細菌性膀胱炎のみの場合は、活動性や食欲に影響が出ないこともあります。

 

腎臓での感染症を腎盂腎炎と呼び、腎臓の機能障害と感染症による発熱、活動性や食欲の低下、嘔吐、下痢などが認められます。
腎臓は左右に1つずつあるため、片側の腎臓に腎盂腎炎が発生しても、反対側の腎臓が十分な機能を維持していれば、腎機能低下による症状が出ることはありません。
しかし、反対側の腎臓の機能が低下していたり、両側の腎臓で腎盂腎炎が同時に起きた場合は急性腎障害の症状を示します。

 

尿路に連続する他の臓器(膣、子宮、前立腺など)で同時に感染症が起きた場合には、その他の症状が発生することもあります。

 

原因

主に細菌が尿路に感染することが原因となります。
感染経路は尿路性と血行性の二つがあります。

◇尿路性
尿道の出口から尿の流れに逆らうように外界の菌が侵入します。通常は尿の排出に伴い洗い流されますが、尿量の低下、尿路粘膜の防御能力の低下、免疫力の低下、雌(尿道が雄に比べて短い)などの要因によって感染が成立することがあります。

◇血行性
基礎疾患によって体内で繁殖した菌が血管から血流に乗り、やがて尿路(主に腎臓)にやってくることで感染が成立することがあります。
主な基礎疾患としては歯周病、慢性腸炎、膿瘍などが挙げられます。

 

診断

血液検査、レントゲン検査、超音波検査、尿検査などによって尿路の感染とそれに伴う症状を確認することで診断します。
尿検査で細菌が認められたとしても、その他の検査で異常を認めず、症状もない場合は細菌感染は成立していないと判断します。

 

治療法

原因となる感染症の治療に加えて、症状に応じた対症療法を検討する必要があります。
腎盂腎炎などの重度の感染症では致死率が高くなるため、入院での集中治療を行うことがあります。
また、腎盂腎炎では急性腎障害が起きることがあります。この治療は『急性腎障害』をご参照ください。

進行した感染症では外科治療が必要となることもあります。

 

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