尿路閉塞(尿管閉塞、尿道閉塞)

尿路とは尿が腎臓で作られてから体外に排出されるまでに通る経路のことで、腎臓、尿管、膀胱、尿道のことを言います。
尿路は様々な要因で閉塞することがあり、完全に閉塞した場合には腎臓の機能障害を起こし、治療されなければ腎臓は機能不全(腎不全)に陥ります。

 

症状

腎臓と尿管は左右合わせて二つずつ、膀胱と尿道は一つずつあります。
片側の尿管で閉塞が起きるとその側の腎臓は機能障害を起こしますが、もし反対側の腎臓が十分な
機能を維持していればほとんど症状を示しません。
わずかな血尿や痛みがあることもありますが、気づけないことも多いです。
片側の尿管閉塞が起きた時に反対側の腎臓の機能が低下していたり、両側の尿管閉塞が同時に起きた場合は急性腎障害の症状を示します。

 

尿道で閉塞が起きると排尿できなくなるため、何度も排尿姿勢を取るにも関わらず排尿できない、という排尿障害が現れます。
この状態が長時間継続すると左右の腎臓の機能障害を起こし、急性腎障害となります。

 

閉塞を起こした原因や疾患によっては上記以外の症状も出ることがあります。

 

原因

尿石、血液、炎症、腫瘍などが尿路に存在し、尿の流れを阻害することが原因となります。
尿路の中でも細い管状構造である尿管と尿道で特に閉塞することが多いです。

 

診断

レントゲン検査、超音波検査、CT検査などによって尿路の閉塞を確認することで診断します。
また、原因となる疾患の存在を確認することも非常に重要となるので、その他の検査も含めた全身の検査が推奨されます。

 

治療法

尿路閉塞の解除を目的に、原因と閉塞の状況に応じた治療を検討する必要があります。完全閉塞により、重度の急性腎障害を併発している場合は迅速な対応が求められ、多くは外科的治療の適応となります。
逆に閉塞が部分的であり、症状が軽い場合には内科的治療を検討する場合もあります。

 

◇尿管閉塞の治療
尿管閉塞の多くは尿石によるものでこの治療は『尿石症』をご参照ください。
また、炎症や出血によって尿路の中に生じた血液や細胞が固まった栓子(debrisやdried blood stoneなどとも呼ばれる)が詰まることもありますがこれも尿石症と同様の治療となります。
高齢動物では腫瘍によって尿管閉塞を生じることがあります。尿管や膀胱だけではなくその周囲に発生した腫瘍によっても尿管閉塞が生じる場合があり、腫瘍の摘出、腎瘻チューブ、尿管ステント、尿管移設、膀胱摘出を検討します。

 

◇尿道閉塞の治療
尿道閉塞の多くは尿管閉塞と同様で尿石や栓子によるもので、同様に『尿石症』をご参照ください。
高齢動物では腫瘍によって尿道閉塞が生じることがあります。尿道や膀胱や前立腺に生じた腫瘍によって尿道閉塞が生じた場合は、腫瘍の摘出、尿道ステント、尿管移設、膀胱腹壁造瘻術を検討します。

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