スキンケア入門~シャンプー剤の選び方~

2022/8/6

みなさんは日ごろからスキンケアされていますか?美容にこだわりのある人はすごいたくさんの美容製品をお持ちですよね。
では、愛犬のスキンケアってどうしていますか?
え?犬にスキンケアなんて要るの?と思われた方もいると思います。

最近はワンちゃんでも皮膚の研究が進んできていて、皮膚や毛の詳しい構造、人との違いなど色々なことが分かってきました。
そして、ワンちゃんも人と同様にスキンケアは重要だと言われています。
スキンケアと言っても色々ありますが、おそらく一番身近なのは『シャンプー』ではないでしょうか。
実際にワンちゃんにとって『シャンプー』はとても大切なスキンケアの1つですし、皮膚に問題を抱えているワンちゃんにとっては非常に重要な治療でもあります。
今回はシャンプーを行う上で欠かせない『シャンプー剤の選び方』についてお話します。

 

シャンプーは必要?

そもそもシャンプーは必要でしょうか?今まで一度もシャンプーをしたことが無いというワンちゃんもいるかもしれません。
確かにシャンプーをしなくてもあまり問題にならないワンちゃんもいますが、人と同様にワンちゃんにも皮脂や汗があり、月日が経つと皮膚や毛が汚れていきます。
身体を清潔かつ美しく保つために月に1回程度はシャンプーをした方が良いでしょう。

皮膚に問題を抱えている場合はより頻繁にシャンプーを行わなければならないこともあります。
主な皮膚の問題には以下のようなものがあります。
多汗:汗が多く、皮膚がべたべたする。
脂漏症:皮脂が多く、臭いがして、皮膚がべたべたする。
乾性脂漏症:皮膚が乾燥し、フケが出る。
犬アトピー性皮膚炎:痒みが出て、皮膚が赤くなる。
膿皮症:皮膚で細菌が増殖し、皮膚が赤くなり、フケや膿が出る。
マラセチア性皮膚炎:皮膚でマラセチアというカビが増殖し、皮膚が赤くなり、フケや特徴的な臭いが出る。
このような問題以外にも、毛の量が多かったり、皺が深かったりするワンちゃんは皮膚が蒸れて痒みが出やすいので、頻繁にシャンプーをした方が良い場合もあります。

 

シャンプー剤の選び方

今までシャンプーをしたことがある方は、どのようにシャンプー剤を選ばれましたか?
お店で良さそうなものを、インターネットの口コミで、知り合いやペットショップのオススメで、など色々な理由で選ばれたかと思います。

動物病院でシャンプー剤をお勧めする際は、『ワンちゃんの皮膚の状態』『シャンプーの成分』に注目してお勧めするシャンプーを決めています。
主な皮膚の状態とその際に有効な成分について簡単にご紹介します。

 

皮膚が乾燥している
皮膚がカサつき、フケが出ているときは、皮膚が乾燥しているサインです。そのせいで痒みが出る場合もあります。
原因としては、加齢による皮膚の保湿成分の減少、アレルギー性皮膚炎、乾性脂漏症などがあります。
この時のシャンプーで重要となるのは保湿成分です。
保湿成分には、セラミド、オフィトリウム、リピジュア、ヒアルロン酸、オーツ、グリセリン、プロピレングリコール、マイクロパール、尿素、乳酸、アミノ酸、ラノリンなどがあります。
保湿系のシャンプーは低刺激のものが多く、健康な皮膚や敏感肌のワンちゃんにも使いやすくお勧めです。

また、犬アトピー性皮膚炎では痒みが強く出ることがあるので、痒みを抑える止痒成分も重要です。
止痒成分には、オートミール、オーツ、アロエベラ、コールタール、グリチルリチン酸ジカリウムなどがあります。

 

皮膚がべたべたしている
皮膚がべたべたしてフケが出ていたり、皮膚が厚くなっているときは、皮膚の表面の皮脂や角質が増えているサインです。
原因としては、脂漏症、マラセチア性皮膚炎などがあります。
この時のシャンプーで重要となるのは角質溶解・脱脂成分です。
角質溶解・脱脂成分には、サリチル酸、イオウ、セボリアンス、過酸化ベンゾイル、コールタール、二硫化セレンなどがあります。

 

皮膚で細菌やカビが増殖している
皮膚に赤みや赤いブツブツでき、ベタつき・フケ・膿・臭いが出ているときは、皮膚で細菌やカビが増殖しているサインです。
原因としては、ブドウ球菌などの細菌による膿皮症やマラセチアというカビによるマラセチア性皮膚炎があります。
この時のシャンプーで重要となるのは抗菌成分です。
抗菌成分には、クロルヘキシジン、クロルキシレノール、ミコナゾール、ピロクトンオラミン、乳酸エチル、過酸化ベンゾイル、ポピドンヨードなどがあります。

 

このように動物病院では、その時の皮膚の様子から問題の原因を推測し、有効な成分の入ったシャンプーをお勧めしていきます。また、皮膚の状態は変わることがあります。その際は改めて皮膚の状態をチェックし、より適したシャンプーに変更します
例えば最初は膿皮症に対して抗菌系シャンプーを使っていたが、良くなったので保湿系シャンプーに切り替える、といった変更を行うことがあります。
日頃からワンちゃんの皮膚の状態をチェックし、変化に気づいてあげれると良いですね。

 

今回スキンケア入門としてシャンプー剤の選び方についてお話しました。ワンちゃんの皮膚の状態とそれにあったシャンプー剤の選び方について少しでも理解を深めていただき、今後シャンプーをする機会があれば参考にしていただけたら幸いです。
もし、愛犬の皮膚の状態がよくわからなかったり、シャンプー剤選びで悩まれた場合は担当医に相談してみてください。

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