フィラリア予防薬はどれがいいの?

2022/5/7

皆さんはフィラリア予防を毎年欠かさずにしていますか?
春になると病院に行き、検査をして、薬をもらい、毎月決まった日に飲ませるか、背中に垂らす。
大体の方はこのような毎年恒例の行事になっていると思います。
当院にはありませんが、1年に1回の注射の予防薬というのもあります。
また、この時に健康診断や外部寄生虫(ノミ・ダニ・マダニ)の予防も一緒にする方もいらっしゃいます。

フィラリアをはじめ、寄生虫感染は怖い病気ですのでしっかり予防することはとても良いことです。
当院のホームページにフィラリア症の簡単な説明がありますので、ご覧ください。
URL:https://www.animal-carecenter.com/prevention
また、DSファーマアニマルヘルス株式会社さんのホームページがフィラリア症に関してとても詳しく載っていますので、ぜひ一度はご覧いただけたらと思います。
URL:https://filaria.jp

ところで、みなさんは予防薬をどのように決められていますか?
実は世の中にはフィラリアの予防薬だけでもたくさんの種類が存在しています。
予防薬ごとに特徴があるので、それを考慮して愛犬に適したものを選ぶのが重要です。
今回は、予防薬の特徴についてお話します。

 

 

◇予防薬の効果

フィラリア予防薬は蚊の吸血時に体内に侵入したミクロフィラリアと呼ばれる幼虫を殺す作用があります。
これは作用としては駆虫薬に分類され、感染を予防するわけではありません。
ただ、フィラリア感染によって起きる症状は予防することができるので、細かいことですが『フィラリア症予防薬』というのが正しい呼び方です。

フィラリア症予防薬ですが、内服薬に関しては数日しか効きません。
ミクロフィラリアは体内に侵入後、50~70日ほどで成長し薬が効かなくなります。ですので、薬の効果が数日であっても1カ月おきに飲み、成長途中のミクロフィラリアをその都度殺すことで、問題なくフィラリア症を予防することができます。

 

 

◇予防薬の種類

フィラリア症予防薬は『内服薬』、『滴下薬』、『注射薬』の3種類に大きく分けられます。
最近では外部寄生虫(ノミ・ダニ・マダニ)の予防薬との合剤で、1つでフィラリアも外部寄生虫も全て予防できるものも存在します。

 

・内服薬
1カ月に1回内服するタイプの薬です。
最も種類が多い予防薬で、数日間効果を発揮します。
長所:食べてくれると手軽、シャンプーや接触を気にしなくてよい
短所:食べないと大変、消化器症状が出ることがある、嘔吐や下痢をすると効かない
注意:食物アレルギーが出ることがある

 

・滴下薬
1カ月に1回皮膚に滴下するタイプの薬です。
数週間効果を発揮します。
長所:食べ物の好き嫌いに影響されない
短所:皮膚への刺激性がある、滴下部への接触を避ける、投薬前後にシャンプーができない
注意:なし

 

・注射薬
1年に1回注射するタイプの薬です。
一度の注射で1年間効果を発揮します。
長所:投薬を忘れる心配がない、通年予防できる、シャンプーや接触を気にしなくてよい
短所:なし
注意:アナフィラキシーが出ることがある

 

 

◇副作用

あらゆる薬において一定の割合で嘔吐や下痢と言った副作用が発生しますが、これははっきりと原因が分からないものも多く、2度目は副作用が出なかったということも珍しくありません。
しかしフィラリア症予防薬では実際に明らかに原因が存在する副作用もあり、予防薬を選ぶ上でとても重要となります。代表的なものを以下でご紹介します。

 

・食物アレルギー
内服薬タイプの予防薬の多くは美味しそうな風味を付けることで、ワンちゃんに好んで食べてもらえるようにしています。その際に用いる材料によっては食物アレルギーを引き起こす場合があります。
そのような材料として代表的なものは、牛肉牛乳豚肉鶏肉小麦大豆トウモロコシがあります。
予想される症状は、嘔吐、下痢、皮膚の発赤、痒みなどです。
食物アレルギーがあるワンちゃんで内服薬タイプの予防薬を検討している場合は、担当医にご相談ください。

 

・MDR1遺伝子欠損
一部の犬種(コリーシェルティシェパードウィペットなど)の中には薬の代謝に関与するMDR1という遺伝子が欠損している個体がいることが分かっています。
このMDR1という遺伝子を欠損している個体では、薬の代謝がうまくできないために一部の薬では副作用が出ることがあります。
フィラリア症予防薬は低用量であるため、MDR1遺伝子欠損の個体でも副作用が出づらいと言われていますが、注意が必要です。
予想される症状は、散瞳、嘔吐、運動失調、意識障害などで、場合によっては死に至ります。
遺伝子検査でMDR1遺伝子が欠損しているかどうかを調べることができ、上記犬種でも遺伝子検査で問題がないこともあります。もし、上記犬種で遺伝子検査をしていない場合は、担当医にご相談ください。

 

・アナフィラキシー
ワクチンや薬剤を投与した際に、急速に現れるアレルギー反応のことで、昆虫に刺されても起きることがあります。
予想される症状は、軽度では皮膚の発赤や腫脹、嘔吐、下痢などですが、重度では虚脱、呼吸困難、血圧低下などが起こり、場合によっては死に至ります。
事前に予期することは難しく、ワクチンや予防薬の投与後1時間は動物の様子を監視することが重要です。

 

 

簡単ではありますが、フィラリア症予防薬を選ぶ上でのポイントをお話しました。
毎年同じ薬を問題なく飲み続けているワンちゃんがほとんどかとは思いますが、もし投与しづらかったり気になる事があれば、この機会に担当医に相談してみてください。
当院には、色々なご要望に応えられるように注射薬以外のフィラリア症および外部寄生虫の予防薬を数種類準備しています。
法律上、ホームページに医薬品の詳細を載せることはできませんので、気になる方は直接お問い合わせください。

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