輸液療法(静脈点滴、皮下補液)

腎臓の機能障害が進むと、水分の摂取量が減ったり、うすい尿をたくさん出したりすることで、脱水してしまうことがあります。
この脱水によって全身の細胞の活動が障害され、尿毒素の蓄積が増加し、元気や食欲の低下などの症状が出ます。
輸液療法はこの脱水に対する効果的な治療法で、主に静脈点滴と皮下補液の2種類があります。
(※呼び方は様々で、輸液も点滴も補液も『体内に液を入れる』という意味で同じように用いられます。)

 

静脈点滴

静脈という血管に輸液剤と呼ばれる液を入れる治療です。
血管に針やカテーテル(細い管)を留置し、専用の機械を用いて時間をかけて行います。実施には準備、機械、時間を要するため、入院で行います。
血管からは水分、ミネラル、ビタミンなどの栄養素に加え、糖分・アミノ酸・脂質といったエネルギーを補充することができます。薬剤も同時に投与することができ、治療効果が高く、状態の悪い腎臓病で実施されます。

 

皮下補液

皮下(皮膚の下で皮下脂肪がある場所)に輸液剤を入れる治療です。
機械を用いず短時間で終わるため、入院せずに行うことができます。方法も簡便であるため、飼い主様でも練習すれば自宅で行うことができ、実際に慢性腎臓病(CKD)の動物の多くは自宅で飼い主様によって皮下補液が行われています。輸液剤やその量、実施する頻度は動物の状態によってさまざまで、多いと毎日実施していただくこともあります。
皮下補液は非常に便利な方法ですが、静脈輸液に比べ入れることができる量や成分に制限があり、治療効果は劣ります。そのため、基本的には状態の落ち着いている腎臓病で実施されます。

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